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Windows10の“ネットワーク”にあるはずのPCが表示されない

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依頼内容

Windows10にアップグレードしたところ、「エクスプローラー」の「ネットワーク」の画面に今まで表示されていたはずのPCが一部表示されなくなり、アクセスすることができなくなってしまったので、アクセスできるようにして欲しいというご依頼でした。

状況

Windowsでは、同一ネットワーク内のパソコンをエクスプローラーの「ネットワーク」の画面から一覧することができます。今回のご依頼の状況を整理すると、ネットワーク上のうち一台をWindows7からWindows10にアップグレードしたところ、今までエクスプローラーの「ネットワーク」の画面からアクセスできたはずの他のPCが一部表示されなくなり、アクセスできなくなってしまった、という状況です。

原因

ネットワークの接続や設定に問題がなく、Windows10へのアップデートに際してこのような不具合が発生した場合、Windows10 バージョン1709以降、推奨されなくなった「SMBv1」の使用が影響している可能性が高いです。また、この状況はネットワーク上の「マスタブラウザ」の状況も影響します。まずは、それぞれの言葉について簡単に説明します。

“SMBv1”とは?

“SMB”とは主にWindowsで使用される、ファイル共有やプリンタ共有の通信方式(プロトコル)のことで、v1はバージョン1のことを指します。Windows 10 バージョン1709以降、このv1は非推奨となり、機能が「削除されている」または「無効化されている」ため、SMBv1方式で共有しているPCの表示に不具合が発生します。

Windows 10 バージョン1709以降のWindows 10でも、「コントロールパネル」の「Windowsの機能の有効化または無効化」の設定からSMBv1の機能をインストール・有効化した場合、SMBv1で共有されたファイル等にアクセスすることが可能ですが、一覧には表示されず、手動でアクセスする必要があります。

“マスタブラウザ”とは?

一般的にWindows PC同士でネットワークを構築した場合、ネットワーク上で一番優先される(例:最新バージョンのWindowsを使用)PCがマスタブラウザになり、ネットワーク上のPCの情報を取得し、一覧を作成します。マスタブラウザは自分以外のPCにネットワークの一覧を提供しているのです。

マスタブラウザはネットワーク上で一台しかなることができないことになっています。

マスタブラウザ上でしか表示されない

今回の不具合は、このマスタブラウザの役割を「Windows 10」のSMBv1が無効化されいているPCが担ってしまっているため、起きている不具合です。ただし、マスタブラウザのPCがWindows 10 バージョン1709以降の場合、SMBv1の設定を有効化すると、そのPC自体の一覧にはSMBv1の機器も表示されるものの、それ以外の機器では表示されない、といった不具合があります。

この不具合は、MicrosoftがSMBv1を非推奨としている以上、修正されることはない問題とされています。

回避策は?

この状況を回避するための方法を3つ提示します。参考にしてみてください。

マスタブラウザを旧OSのPCに強制変更

ネットワーク上の機器の中にWindows7などの古いOSが稼働するPCがある場合、レジストリを操作してそのPCを強制的に「マスタブラウザ」にすることで、他のPCを含めすべてのPCが一覧に表示されるようになります。

なお、Windows7などが稼働するPCがない場合でも、NASがその機能を代用できる場合があるようです。

すべてのPCをWindows 10の最新バージョンにアップデート

ネットワーク上のすべてのPCを最新状態にしても問題がない場合、Windows 10の最新バージョンが揃う環境であれば、最新の方式での共有に対応するため、Windows 10でもお互いの「ネットワーク」にPCが表示されるようになります。

なお、もう少し詳しい説明をすると、SMBv1方式のPCの場合「NetBIOS」での探索がされていましたが、Windows 10 バージョン1709以降では「WSD」という方法が一般的になっています。WSDの利用には「Function Discovery Provider Host」と「Function Discovery Resource Publication」というサービスがそれぞれ有効になっている必要があるため、アップデート後も不具合がある場合はこの二つのサービスが有効になっているか確認してみてください。

SMBv1をインストールし、手動でアクセス

先ほども書きましたが、Windows 10 バージョン1709以降でも、サービスを有効化することで、SMBv1のファイル共有などに「アクセス」はできるようになります。一覧に表示することにこだわる必要がない場合は、エクスプローだーのアドレスバーに「¥¥マシン名」と入力すれば、アクセス自体は可能です。これをデスクトップなどに、ショートカット作成しておけばすぐにアクセスできるようにはなります。

しかし、SMBv1は、以前有名となったランサムウェア「WannaCry」に悪用されるなど、古すぎる仕組みでセキュリティ的に問題があることは確かです。パスワードの設定を行うなど、できうる対策はしておきましょう。

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